私は世界の素敵な商品を日本に紹介する仕事をしていますが、先日もあるテレビショッピング番組で、ニューヨークの生地で作った商品のご紹介をしました。
実はニューヨークには生地店が多く、私の友人も生地屋さんに週に数回通うと言います。
どちらかというと、アメリカ=ファーストフードというイメージが強く、食事なども手作りする印象は少ないと思いますが、衣服や小物を手作りする人は意外に多く、「生地を買って自分で仕立てる」という文化が根付いています。
私がテレビで紹介した生地メーカーは「マイケルミラー」と言って、マイケルとミラー夫妻が17年前にニューヨークの小さなアパートの一室で始めたブランドです。
前述のとおりニューヨークの人は生地店によく通うので、そこで認められるとかなり大きく広がります。
「マイケルミラー」も今やニューヨークの中心部に大きな事務所を構えるようになり、全米で1900店超の生地店に展開し、シンデレラストーリーとも言われるようになりました。
特徴としては、絵画を再現したような、とてもみずみずしく華やかなデザインでありながら、高い技術力で支えられたプリント製法があげられます。
前回も書いた通り、ニューヨークは自然を大切にするという慣習があり、マイケルミラーの生地にも植物柄のデザインが多く使われています。そのデザインを生地にプリントする際には、版画の様に1色につき1版を刷るのですが、通常日本の生地は多くても5~6版であるのにも関わらず、マイケルミラーの生地は15版以上を重ねているものが多いのです。
もちろん15回重ねてプリントするうち、1回でもずれたりすれば不良品となります。そのため、高い技術力が必要で、それについては職人さんが目視で確認をしているという手間のかけようです。ですがその分、色に濃淡が出て、奥行きや上質感が現れるので、目が肥えているニューヨークの人達にも支持され、今や世界にも広がる生地メーカーになっています。
ただ日本には、「生地を買って仕立てる」という文化はあまり根付いていないので、テレビショッピングでは日本の会社で縫製して頂いたものをご紹介しました。
ラグやミニクッションなどだったのですが、とても華やかでいかにもインポートという雰囲気が出る商品になりました。
既に完売したためもう購入して頂くことは出来ませんが、このようなちょっと華やかな生地を使ったインテリアも楽しいですよね。